いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
結論から言うと、継ぎ足しタレとは「補充するたびに歴史が重なり、単純な調合では絶対に生まれない複雑な旨味を蓄えた、生きたタレ」のことです。その理由と仕組みを、今日はできるだけ丁寧にお伝えしたいと思います。
「なんで焼き鳥屋さんのタレってあんなに美味しいんだろう」と感じたことはありませんか。スーパーで売っているタレを使って家で焼いても、どこか物足りない。その正体が、継ぎ足しという文化にあります。やきとり大吉が創業したのは今から47年前。そのタレは一度も絶やされることなく、師から弟子へと渡り続けてきました。私・浜田が4店舗の修行先から与野本町へ持ち帰り、この土地で育て続けてもう10年。今日もそのタレは、少しずつ変化しながら生き続けています。
こんな方におすすめ
- ✅ 継ぎ足しタレがどういうものか仕組みから知りたい方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で本格焼き鳥を探している方
- ✅ 「ただ美味しい」ではなく「なぜ美味しいのか」を理解してから食べたい方
- ✅ チェーン店の焼き鳥に物足りなさを感じ始めた方
- ✅ 地元に長く通える馴染みの焼き鳥屋を探している方

継ぎ足しタレの「仕組み」:なぜ補充するだけで旨くなるのか
継ぎ足しタレの構造は、一言でいえば「微生物と化学反応の集積」です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、もっと身近な話に置き換えると、味噌や醤油と同じ発酵・熟成の原理に近いものがあります。
焼き鳥をタレに潜らせるとき、鶏の脂や肉汁がタレの中に溶け込みます。これが繰り返されることで、動物性の旨味成分(グルタミン酸、イノシン酸など)がタレのベースに蓄積されていきます。さらに加熱の過程でメイラード反応(糖とアミノ酸の反応)が起こり、香ばしさと深みのある褐色の風味が重なっていく。醤油・みりん・砂糖といった材料だけでは絶対に出せない、「時間と火入れが作り出す旨味」がここにあります。
だから、「新しく仕込んだタレ」と「長年継ぎ足してきたタレ」を並べて食べると、同じ材料を使っていても味の奥行きがまったく違います。タレそのものが、これまで焼いてきた無数の焼き鳥の記憶を含んでいるとも言えます。
ちなみに、継ぎ足しタレを維持するうえで欠かせないのが「毎日火を入れること」です。これを怠ると雑菌が繁殖し、せっかく育てたタレが一晩で台無しになります。どんなに疲れていても、閉店後に必ず火を入れる。これは職人として当たり前のことなのですが、地味でしんどい作業でもあります。
47年の歴史と4店舗の修行が交差する場所
やきとり大吉というチェーンは、今年で創業48年を迎えます。そのグループ全体に流れる「タレの文化」を、私は大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗の計4か所で修行しながら、それぞれ異なる表情として体感してきました。
関西のタレはやや甘みが強く、まろやかなコクが特徴です。一方で東京のタレはキレがあり、醤油の輪郭がはっきりしている。どちらが良い悪いではなく、それぞれの土地の食文化と客の好みに合わせて進化してきた結果です。4つの修行先で見てきたものが、私の中でいったん混ざり合い、与野本町という土地で「今の大吉与野本町店のタレ」として再構成されています。
10年間、このエリアのお客さまの反応を見ながら、少しずつ調整を重ねてきました。さいたま市中央区の方は、甘すぎず、かつパンチのある味を好む傾向があると感じています。池袋まで直通でアクセスできるベッドタウンということもあって、都内の洗練された食体験を知りつつ、地元でゆっくり飲みたいというお客さまが多い。そのバランスに合わせてきたのが、今のタレです。
与野本町に根を張って10年目。タレも私自身も、まだ成長中です。
✓ ここまでのポイント
- 継ぎ足しタレは鶏の旨味と熱の化学反応が蓄積した「時間の産物」であり、新しいタレには絶対に出せない奥行きがある
- やきとり大吉与野本町店のタレは、47年のグループの歴史と4店舗の修行体験、さらに与野本町での10年が重なって育まれている
タレだけじゃない:「塩の仕事」が教えてくれること
継ぎ足しタレの話をすると「じゃあ塩はどうなの?」と聞かれることがあります。実はこれも、一筋縄ではいきません。
当店が使っているのはヒマラヤ岩塩です。精製塩と違い、マグネシウムやカルシウムをはじめとした多くのミネラルを含んでいるため、塩味の後ろにほんのりとした旨味と甘みが続きます。焼き鳥と合わせたとき、この「引き」の旨味が鶏の脂の甘みと重なって、食べた瞬間よりも少し遅れてじわっと広がるのが特徴です。
さらに、塩の扱いには季節ごとの調整が必要です。湿度が高い梅雨時と、空気が乾燥する冬では、同じ量を振っても塩の出方が変わります。だから、視覚だけで判断せず、定期的に自分で試食して確認するようにしています。
実は、自分が作った焼き鳥をちゃんと食べていない店主さんというのが、世の中には少なからずいます。何年も働いていれば感覚で焼けてしまうし、試食の手間を省きたくなる気持ちもわかります。ただ私は、それをやめた瞬間に味が狂い始めると思っています。タレも塩も、「今日の自分の舌」でジャッジする。これが10年続けてきた習慣です。
シーン別:継ぎ足しタレの味をより深く楽しむ飲み方・食べ方
せっかく47年分の旨味が詰まったタレで焼いた串を食べるなら、それに合う飲み物と食べる順番も知っておいて損はありません。いくつかのシーンに分けてお伝えします。
【仕事帰り・一人でゆっくり飲むとき】
まず最初の一杯は、神泡プレモルの生ビール一択です。当店はサントリーの「神泡達人店」に認定されており、樽の管理・洗浄・温度・ガス圧・グラス保管まで徹底しています。タレの旨味が乗った「かわ」や「つくね」をひと口食べてから、冷えた生をゴクっと流し込む。この組み合わせのために仕事を頑張ってきたと言っても大げさじゃない、と言ってくれるお客さまがいて、その言葉はいまも励みになっています。
【家族で食べに来るとき】
当店は全席禁煙・独立した喫煙ブース完備で、20歳未満のお子さまも入店していただけます。テーブル席でお子さまと一緒に、手仕込みのつくねやモモから食べ始めてみてください。タレのしっかりした甘みは、お子さまにも食べやすい味です。提携のタイムズパーキング与野本町第5もご利用いただけます(ご利用金額に応じて駐車チケットをお配りしています)。
【飲みすぎず、いい塩梅で締めたいとき】
飲み放題のないスタイルだから、自分のペースを守りやすいのが当店の特徴です。タレ串のあとに塩串を挟む、という食べ方をしていただくと、味のリズムが生まれて最後まで飽きずに楽しめます。きも(レバー)の塩は特におすすめで、ヒマラヤ岩塩の旨味がレバーの鉄分的な力強さと合わさって、不思議なほどハイボールが進みます。
まとめ:タレは「店の歴史」そのものです
継ぎ足しタレは、単なる調味料ではありません。47年間、誰かが毎日火を入れ続け、焼き続け、少しずつ補充し続けてきた積み重ねの結晶です。私がこの与野本町のお店でタレを絶やさずにいられるのは、それだけのことを先人たちがやってきたからだ、という気持ちを忘れないようにしています。
一本の焼き鳥を「なんとなく美味しいな」で終わらせず、「あ、これが47年の味か」と感じながら食べてもらえたら、私としてはこれ以上ない喜びです。
与野本町駅東口から徒歩4分。火曜定休、それ以外の日は17時から開けています。気が向いたとき、ふらっと立ち寄ってみてください。カウンター席もありますので、お一人でも気兼ねなくどうぞ。
ご予約・お問い合わせは、お電話または食べログのネット予約からどうぞ。貸切(12名様〜20名様)のご相談もお気軽にお声がけください。
今日も大吉な一日を🏮



