いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
梅雨が明けると、夕方になっても空気がじっとりと重い日が続きますね。こういう季節は、冷えた生ビールの一口目が格別です。そしてその隣に、パリッと焼き上がった「かわ」があれば——もう言うことがない。
ところで、「大吉の『かわ』はなんであんなにパリパリなの?」と、お客さまから聞かれることがあります。「焼き方が上手いんでしょう?」と言っていただくこともあるのですが、正直に言うと、パリパリの秘密は焼きだけじゃないんです。
今日は少し珍しい試みとして、開店準備から営業が終わるまでの一日の流れをそのままお見せしながら、「かわ」があの食感になる理由をお話しします。普段は表に出さない仕込みの話も含めて、包み隠さず。
こんな方におすすめ
- ✅ 大吉の「かわ」がなぜパリパリなのか気になっていた方
- ✅ 焼き鳥屋の仕込みや火入れのこだわりを知りたい方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で本格焼き鳥を探している方
- ✅ 食材の鮮度や調理技術を大切にしているお店を選びたい方
- ✅ 「なんとなく美味しい」ではなく「なぜ美味しいか」を知ってから食べたい方

午後3時。仕込みの現場では、すでに勝負が始まっている
開店は17時ですが、仕込みは14時〜15時ごろには始まっています。「かわ」のパリパリは、実はこの時間帯にほぼ決まります。
鶏皮というのは、脂が多い部位です。だからこそ扱い方を少し間違えると、べちゃっとした食感になる。脂が溶け出す前に、いかに手早く串に刺せるかがポイントになります。
当店では、鶏肉の劣化を防ぐために手袋と指サックを着用し、保冷剤で冷やした少量の鶏肉を取り出しながら串打ちをしています。素手で触れると体温が鶏肉に伝わり、脂が緩んで品質が落ちる。たったそれだけのことですが、やるのとやらないのとでは、焼き上がりがまったく変わってきます。
それから、「かわ」のカットサイズ。試食を繰り返して割り出した「最初の一口から旨く感じられる」サイズに、毎回カットしています。大きすぎれば火が通りにくく、小さすぎれば脂が抜けすぎてパサつく。この微妙な加減は、数字や言葉ではなく、長年の経験と毎日の試食の積み重ねで体に刻まれているものです。
そういえば、「自分の焼き鳥を何年も食べていない店主」が意外といるという話を修行時代に聞いたことがあります。仕込みの慌ただしさの中で、味の確認を怠ってしまう。当店では毎日の試食を欠かさないようにしているのも、こういった背景があってのことです。
午後4時。タレを確認する。これが「継ぎ足し」の実態です
開店前に必ずやることがあります。タレの確認です。
やきとり大吉は創業47年。師から弟子へと受け継がれてきた秘伝のタレは、当店で使うものは、私が大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗の計4店舗で修行する中で受け継いだタレをベースに、与野本町でのこの10年間、継ぎ足し続けてきたものです。
「継ぎ足し」というと、なんとなく神秘的な響きがありますが、実態は地道なものです。使った分だけ補充し、濃度や風味を毎日確認する。タレは生き物のように日々変化するので、舐めてみてちょっと違うと感じたら微調整する。その積み重ねが「深み」になっていく。
塩の管理も、同じように地味で真剣です。当店では塩にヒマラヤ岩塩を使っています。ミネラルを豊富に含んでいて、塩味の奥にほんのりとした旨みと甘さがある。鶏の旨みを引き立てるのに、本当によく合う塩です。
ただし、塩は季節や湿度によって「出方」が変わります。梅雨の時期と真冬では、同じ量をふっても感じ方が違う。だから目分量に頼らず、必ず試食して塩加減を確認しています。こういった話を「そこまでするの?」と驚かれることもあるのですが、やっていないと逆に怖い、というのが正直なところです。
✓ ここまでのポイント
- 「かわ」のパリパリは仕込みから始まる。手袋・保冷剤を使い、鶏皮を冷たいままの状態で手早く串打ちすることで脂の緩みを防いでいる。
- タレは創業47年の継ぎ足し文化を引き継ぎ、与野本町の店で10年育てたもの。毎日味を確認して微調整している。
- 塩加減も季節・湿度に応じた試食ベースの調整が基本。感覚に頼りすぎず、科学的に向き合っている。
午後5時。火を入れる。「かわ」は最後の最後まで気を抜けない
開店と同時に、グリラーに火が入ります。
当店では大吉専用グリラーを使っています。炭火のような最大火力はありませんが、火力調整の速さと精度が圧倒的に優れています。これが「かわ」を焼く上で非常に重要なんです。
鶏皮を「パリパリ」に焼き上げるには、弱火でじっくりと脂を溶かしながら焼く時間が必要です。強火でサッと焼いても、外だけ焦げて内側はべちゃっとしたまま。じっくり焼くのが鉄則なのですが、「じっくり」の間にも火加減の微調整が必要です。
同時進行で「かわ」と「きも(レバー)」と「もも」が並んでいる場面を想像してみてください。レバーはさっと強火で、もも肉は中火でふっくり、かわは弱火でじっくり。このすべてを同時にこなしながら、どれも焼き過ぎず生焼けにもならない状態に仕上げる。延べ50万本以上を焼いてきた経験が、この場面で一番活きています。
「かわがパリパリな理由は?」と聞かれたとき、「弱火でじっくり焼いているから」というのが答えの一つです。でも正確には、「冷えた状態で手早く串打ちした鶏皮を、47年の継ぎ足しタレに絡め、弱火で丁寧に焼き上げているから」が正解です。仕込み・味付け・焼き、この三つが揃ってはじめて、あのパリパリが生まれます。
午後10時。営業終了間際にも、変わらない一本を
ラストオーダーは食べ物が22時、飲み物が22時30分です。
閉店間際に来てくださったお客さまに提供する「かわ」も、開店直後の一本と同じクオリティで焼き上げることが目標です。疲れが出てくる時間帯でも、串の持ち方や火加減の判断は変えない。それが「安定した旨さ」につながると思っています。
大吉は、与野本町の地で10年営業してきました。JR埼京線 与野本町駅の東口から歩いて4分。この場所で、毎日同じように仕込みをして、同じように火を入れている。その積み重ねが、「また来た」と言ってくださるお客さまとの関係になっているのだと感じています。
べたべたしすぎず、でも変わらない味で迎える。それが、私が理想とする店とお客さまとの距離感です。
まとめ:「かわ」一本に、これだけのことをしています
今日お伝えしたかったのは、「大吉の焼き鳥はこんなに手間がかかっています、すごいでしょう」ということではありません。ただ、美味しいものを出すためにやるべきことをやっている、という話です。
冷やしながら手早く串打ちをして、毎日タレと塩の味を確認して、部位ごとに火加減を変えながら焼く。当たり前のことを当たり前にやり続ける。それが「一口目のパリパリ」を作っています。
もし気になったら、ぜひ一度食べに来てください。カウンター席もございますので、一人でふらっと立ち寄っていただくのも大歓迎です。焼いている様子を眺めながら、神泡のプレモルと「かわ」を一緒にどうぞ。
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火曜定休・月に一度連休あり。営業時間は17:00〜23:00(ラストオーダー:食べ物22時、飲み物22時30分)。
今日も大吉な一日を🏮



