いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
先日、カウンターに座ったお客さまが、つくねをひと口食べてこうつぶやきました。
「あれ、なんか……いつもより旨い気がする」
実はそのとき、卵黄をつけて召し上がっていただいていたんです。気づかずに食べていたそうで、「そういうことか!」と笑っておられました。
つくねと卵黄の組み合わせ、知ってはいるけど「なんとなく」でやっている方が多いのが正直なところだと思います。今日はその「なんとなく」の部分を、少し丁寧にお話しさせてください。つくねに対する私なりのこだわりも一緒に。
こんな方におすすめ
- ✅ つくねが好きで、より美味しい食べ方を知りたい方
- ✅ 卵黄との組み合わせがなぜ合うのか気になっていた方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で本格的な焼き鳥を楽しみたい方
- ✅ 手仕込みにこだわった居酒屋を探している方
- ✅ 「大吉のつくね」を初めて食べてみようと思っている方

卵黄が「旨味のブースター」になる、シンプルな理由
卵黄には、グルタミン酸やビタミン類が豊富に含まれています。これが、タレの醤油ベースの塩気や旨味と絡まると、味わいが一段階奥深くなる。口の中でまろやかにまとまりながら、つくね本来の肉の旨さを引き立てる——理屈で言えばそういうことです。
ただ私が思うのは、それだけじゃないんですよね。
卵黄をつけると、食べるテンポが少し落ちるんです。ひと口ひと口、確認しながら食べるようになる。それがちょうどいい。焼き鳥はゆっくり食べるほど旨い。ビールや日本酒と交互に楽しむリズムが生まれる。そういう「食べ方のデザイン」として、卵黄はとても優秀だと思っています。
ちなみに当店では、つくねは「タレ」でご提供しています。塩のつくねも悪くはないのですが、47年継ぎ足してきたタレとの相性という点では、タレが一枚上手です。卵黄と一緒に楽しむなら、ぜひタレで。
「うちのつくね」が卵黄に合う、もう一つの理由
少し手前味噌になりますが、正直にお話しします。
卵黄との相性というのは、つくねの質にも大きく左右されます。パサついたつくね、繋ぎが多くて肉の味が薄いつくね——そういったものに卵黄をつけても、正直「まあそこそこ」で終わってしまう。
当店のつくねは、毎日手仕込みです。その日に使う分だけを仕込む。冷凍・解凍を繰り返した鶏肉は使いません。鮮度の違いは、加熱したときの肉汁の量と質に出ます。しっかりと肉汁が出るつくねだから、卵黄が絡んだときの一体感が際立つんです。
串打ちの際も、手の温度で鶏肉が劣化しないよう手袋と保冷剤を使いながら手早く作業しています。地味な話ですが、この積み重ねが最終的な口当たりに関わってくる。「なぜそこまで?」と聞かれることがありますが、答えは単純で、自分が食べたときに「これは旨い」と思えるものを出したいだけです。
47年継ぎ足しタレが、つくねを「完成」させる
つくねを語るうえで、タレの話は外せません。
やきとり大吉の創業は1977年(昭和52年)。師から弟子へと継ぎ足されてきたタレは、今も各店で育ち続けています。私が与野本町でお店を構えて今年で10年が経ちました。当店のタレは、大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗——計4店舗での修行を経て私が受け継いだものを元に、ここで11年目を迎えています。
継ぎ足しのタレというのは、単に「古い」のではなく、「積み重なっている」んです。無数の食材が関わり、時間が関わり、その場所の空気が関わる。同じ配合で一から作っても、同じ味にはならない。それがタレの面白さであり、怖さでもあります。
つくねはこのタレをよく吸います。表面積が広く、ふんわりとした組織がタレを受け止めるから。だから卵黄と合わせたとき、タレの旨味→肉の旨味→卵黄のコク、という三層の味わいが一度に押し寄せてくる。これが「あれ、なんか旨い」につながっているんだと思っています。
✓ ここまでのポイント
- 卵黄はつくねの旨味を引き出す「味のブースター」。食べるテンポも整えてくれる。
- 当店のつくねは毎日手仕込み・新鮮な鶏肉のみ使用。肉汁の質が卵黄との相性を高める。
- 47年継ぎ足しの秘伝タレがつくねに深く染み込み、卵黄と合わさることで三層の旨味が生まれる。
焼きの話:つくねは「中火の哲学」で仕上げる
仕込みとタレの話をしたので、最後に焼きの話も少し。
延べ50万本以上焼いてきた経験の中で、つくねの火入れについて私が出した答えは「中火で、じっくり、確実に」です。
当店では大吉専用のグリラーを使っています。炭のような高火力には少し劣るものの、火力の調整速度は炭を大きく上回る。これがつくねには特に効いてくる。
つくねは皮のある部位と違い、表面に脂の膜がありません。強火で焼くと、外だけ焦げて中が生の状態になりやすい。逆に弱火すぎると、表面がカサカサになってしまう。中火で、表面に焼き色をつけながら、中心に向かってじわじわと熱を通していく。このコントロールができるのが、専用グリラーの強みです。
焼き上がりの目安は、タレをつけたとき表面でほんの少し「じゅっ」と音がするくらいの温度感。その状態のつくねに卵黄をつけると、熱がほどよく卵黄にも伝わって、とろりとまとまりがよくなります。熱々すぎず、冷めすぎず——そのタイミングでお出しするのが、私の中の「正解」です。
まとめ:一度だけ、試してみてください
つくねと卵黄の話、長くなりました。
ただ伝えたかったのはシンプルなことで、「なんとなく卵黄をつける」から「理由を知って卵黄をつける」に変わると、同じ一本がまったく違って感じられるということです。食べ方を知ることで、料理はもう一段階楽しくなる。
与野本町駅東口から徒歩4分。毎日17時から開けています。カウンター席もありますので、一人でふらりとお越しいただいても気兼ねなくどうぞ。神泡プレモルの生ビールも、つくねとの相性、なかなかのものです。
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今日も大吉な一日を🏮



