いつもありがとうございます。
やきとり大吉 与野本町店の浜田です。
先日、常連のお客さまからこんな言葉をいただきました。
「浜田さん、ここ来るまで、地元にちゃんとした馴染みの店がなかったんですよね」
その方は与野本町に引っ越して数年が経つ方で、最初は試しに一人で来てくださったそうです。それがいつの間にか、ご夫婦で、そして時には職場の方を連れて来てくださるようになりました。
チェーン店は駅前にいくつもある。でも「また大将の顔を見に行こう」と思える店がない。そういう声を、10年この場所に立ち続けて、何度となく聞いてきました。今回は少し趣向を変えて、私自身のことをお話しさせてください。どんな人間が暖簾を守っているのか、知っていただけると、来店のきっかけになるかもしれません。
こんな方におすすめ
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で「顔なじみになれる居酒屋」を探している方
- ✅ 大将の人柄や経歴を知った上で、お店を選びたい方
- ✅ チェーン店ではなく個人経営の焼き鳥屋に興味がある方
- ✅ 一人でふらっと立ち寄れるカウンターのある店を求めている方
- ✅ 「馴染みの店」をゼロから作ってみたいと思っている方

大阪・京都・東京、4店舗の修行が私をつくった
私がやきとりの世界に入ったのは、もう20年以上前のことです。最初に修行したのは大阪。ここで2店舗、その後京都で1店舗、東京で1店舗、計4つの店で技術と向き合いました。
修行中に学んだのは「焼き」の技術だけではありません。仕込みのリズム、タレの扱い方、お客さまとの距離感、店の空気の作り方。そういった、マニュアルには書いていないことを、先輩たちの背中から盗むように習得してきました。
4店舗それぞれに個性があり、それぞれの師匠から受け継いだタレが今、当店のタレの「元」になっています。やきとり大吉の創業は1977年(昭和52年)12月1日。47年間、師から弟子へと継ぎ足されてきた秘伝のタレが与野本町に息づいています。私自身が与野本町に店を開けてから11年目を迎えたタレは、今もなお育ち続けています。
タレというのは不思議なもので、焼いた串を何本くぐらせたか、季節がどう変わったか、すべて味に影響します。だから私は毎日、必ず自分で味を確認します。自分の焼き鳥を何年も口にしていない店主がいるという話を修行時代に聞いたことがありますが、私にはとても考えられないことです。
50万本を焼いて、初めて「わかった」こと
与野本町に店を構えて10年。修行時代を合わせると、延べ50万本以上の串を焼いてきた計算になります。
正直に言うと、最初の数万本は「なんとなく焼けている」状態でした。焦げていなければ合格、くらいの感覚です。でも10万本、20万本と積み重ねていくうちに、部位ごとの「最適な瞬間」が肌でわかるようになってきます。
たとえば、かわ。じっくりと弱火で脂を落としながら焼かないと、皮はパリッとしません。逆にレバーは、強火で素早く火を通すことでしっとりとした食感が生まれる。モモ肉は中火でじっくり、中心まで熱を届けながらも、表面をふっくら仕上げる。同時進行でこれらをこなすには、火力調整の精度が命です。
当店では専用グリラーを使っています。炭火のような演出感はありませんが、火力の切り替えが瞬時にできるため、複数の部位を同時に最適な状態で焼き上げることができます。50万本の経験と、道具の特性を掛け合わせることで初めて、安定した「旨さ」が生まれると思っています。
なぜこれほど焼きにこだわるかというと、個人経営の店がチェーン店と違うのは、毎日焼台に立つ職人がそこにいるかどうか、その一点だと思っているからです。私が不在の焼き鳥は、大吉与野本町店の焼き鳥ではありません。
✓ ここまでのポイント
- 浜田は大阪・京都・東京の計4店舗で修行し、47年継ぎ足されてきたタレを受け継いでいる
- 延べ50万本以上の経験から、部位ごとの最適な火入れポイントを体得している
- 専用グリラーによる精密な火力調整が、毎日変わらない「旨さ」の安定を支えている
「変わらない味があるから、また来たい」という感覚は、読んでいるだけでは実感できません。47年継ぎ足されたタレと、50万本の経験から生まれる焼き加減を、実際に席で確かめていただくのが一番の近道です。ネット予約なら、来店日時を事前に押さえることができます。
「馴染みの店」は、ある日突然できるものではない
与野本町という街は、派手な繁華街がない分、静かな居場所を求める方が自然と集まってきます。子育て中のご家族、都内に通うビジネスパーソン、地元で長く暮らすご年配の方。それぞれが少しずつ違う理由で、でも「落ち着いて飲める場所」という共通点で、当店を訪ねてくださっています。
私が大切にしている言葉があります。「君子の交わりは淡きこと水の如し」。べたべたと依存し合うのではなく、お互いに自立していて、さらっとした関係だからこそ長続きする、という意味です。馴染みの店というのも、同じだと思います。
来るたびに「覚えてますよ」「あの話の続きは?」と迫られるのは、正直しんどいですよね。私は基本的にお話があまり得意ではないので、自分から積極的に話しかけることはしません。でも、店内に余裕がある時にお客さまの方から声をかけていただければ、できる限りお話しします。カウンター6席は、ちょうどそういう「話してもいいし、黙って飲んでもいい」距離感で設えています。
馴染みの店は、何度か足を運ぶうちに、気がついたらできているものです。最初は「試しに一杯」で構いません。与野本町「大吉」のカウンターとテーブル席の使い分け方を知っておくと、初めての来店でも戸惑わずに楽しんでいただけると思います。
10年目の与野本町で、私が変えなかったもの
開業から10年が過ぎました。この10年でさいたま市中央区の街並みも少し変わりましたし、飲食業界も大きく動きました。
でも、当店が変えなかったことがあります。
毎日の手仕込みです。冷凍・解凍を繰り返した鶏肉は使いません。その日仕込む分だけ、新鮮な鶏肉をカットして串に刺す。手の温度で鶏肉が傷まないよう、手袋と保冷剤を使いながら手早く作業します。試食を重ねて割り出した「最初の一口からおいしい」と感じるサイズに、毎日カットしています。
塩加減も変えていません。当店はヒマラヤ岩塩を使っています。塩味の奥にある、ほんのりとした旨みと甘みが焼き鳥によく合う。ただ、季節によって湿度や温度が変わると塩の出が変わりますから、目視だけでなく必ず試食して調整しています。
仕込みから味付け、焼きまでの全工程を自分が担う。それが与野本町「大吉」の形です。だからこそ、来るたびに同じ味がある。「変わらない」というのは、何もしていないことではなく、毎日続けることの結果なんだと、この10年で思うようになりました。
与野本町で居酒屋を選ぶときの基準として「ブレない味があるか」を挙げる方は多いですが、そのブレなさは一日にしてならず、です。
はじめての方へ:こんな使い方から始めてみてください
初めて来てくださる方に、よくある心配事を先にお伝えしておきます。
当店は全席禁煙です。煙やタバコの臭いを気にせず食事を楽しんでいただけます。お子さま連れのご家族も、テーブル席でゆっくりお使いいただけます。駐車場は専用ではありませんが、近隣のタイムズパーキング与野本町第5をご利用いただけます(税込5,000円以上で200円分、税込7,000円以上で400円分の駐車券をサービスしています)。お支払いは各種クレジットカードや電子決済にも対応していますので、現金の手持ちがなくても大丈夫です。
焼き鳥は1本140円〜。まずは「かわ」と「つくね」、そして神泡のプレモルを一杯。お客さまひとりあたり3,000〜4,000円程度で、十分に楽しんでいただける内容になっています。
営業は月・水〜日・祝日の17時から。火曜は定休日です。ラストオーダーは食べ物が22時、飲み物が22時30分です。与野本町駅東口から徒歩4分です。
まとめ:大将の顔が見える店が、馴染みの店になる
私・浜田隆吉は、大阪・京都・東京の4店舗で修行し、与野本町に10年間、毎日焼台に立ってきました。47年間継ぎ足されてきたタレと、50万本以上を焼いてきた経験は、一串ずつに込められています。
チェーン店が多い時代だからこそ、「あの大将が焼いているから行く」という理由で選ばれる店でありたいと思っています。派手なことは何もできませんが、毎日変わらない味と、変わらない焼台があります。
まずは一度、与野本町駅の東口を降りてみてください。4分で着きます。ご予約やご質問は、お気軽にお電話ください。
今日も大吉な一日を🏮
「馴染みの店は、何度か足を運ぶうちに気がついたらできているもの」と書きましたが、その最初の一歩を踏み出すなら、席を確保してから来るのがスムーズです。カウンター6席・テーブル席12席の小さな店なので、特に週末は予約が取れていると安心です。



