いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
結論から言うと、カシラが美味いかどうかは「仕込みの丁寧さ」と「火入れの精度」でほぼ決まります。そして残念ながら、この二つを両立させるのは思っているよりずっと難しい。50万本以上焼いてきた私が、今日はカシラというちょっと通好みな部位の話を、包み隠さずお伝えしようと思います。
お客さまから「大吉のカシラって、なんでこんなに美味いんですか」と聞かれることが時々あります。嬉しい質問ですし、答えがいのある質問でもある。せっかくなので、ブログというかたちできちんと言語化してみました。
こんな方におすすめ
- ✅ カシラという部位が気になっているけど、どこで食べれば良いか迷っている方
- ✅ 焼鳥の「部位ごとの違い」を深く知りたい方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区周辺で本格焼鳥を探している方
- ✅ 脂っこくない、歯ごたえのある串を探している方
- ✅ 店主のこだわりが感じられる個人店に通いたい方

カシラとは何か。まず「部位」を知るところから
カシラというのは、豚のほほ肉と耳の後ろ側から首にかけての筋肉のことを指します。「頭(かしら)」という名前の通り、顔まわりの部位です。
ただ、焼鳥屋でカシラと呼ばれるものは、お店によって指す部分が微妙に違うこともある。正確には「こめかみ」「ほほ」「えら下」あたりの肉で、脂と赤身のバランスが絶妙な筋肉質の部位です。
特徴を一言で言うなら、「噛めば噛むほど旨味が出る」肉です。モモのようなジューシーさとはちょっと違う。歯ごたえがあって、嚙み締めるたびに肉の旨味がにじみ出てくる感覚。それがカシラの一番の魅力だと私は思っています。
タレとの相性が抜群で、ビールでもハイボールでも日本酒でも合う。どこか「通の一本」という雰囲気もあって、焼鳥好きな方はたいてい注文される部位のひとつです。
大吉のカシラが美味い理由①:仕込みの段階で勝負は決まっている
カシラはもともと筋がある部位です。だから、仕込みの段階で余分な筋や膜をどこまで丁寧に処理するかが、食感に大きく直結します。
当店では毎日、その日提供する分だけを手仕込みしています。前日に仕込んで保存、というやり方はしていません。鮮度が落ちた鶏肉は使いませんし、冷凍・解凍を繰り返したものも使いません。シンプルですが、これは味の土台として絶対に外せない基準です。
串打ちの際も、手の温度で肉が傷まないように手袋と指サックを使い、保冷剤で肉を冷やしながら少量ずつ手早く作業します。「どうせ焼くんだから多少は関係ない」と思うかもしれませんが、生肉の状態での鮮度管理は、焼き上がりの味に確実に出ます。
カットのサイズも、試食を重ねて決めています。最初の一口からおいしく感じるサイズ感というのがあって、それは理屈ではなく実際に食べて確かめながら割り出したものです。カシラの場合は、噛み応えを残しつつ一口で完結するサイズ感にしています。
大吉のカシラが美味い理由②:47年継ぎ足しタレが肉の旨味を引き出す
タレの話をするとき、私はいつも少し緊張します。自分が育てたものでもあるし、自分だけのものでもないので。
やきとり大吉の創業は1977年(昭和52年)。47年間、師から弟子へ受け継がれてきた秘伝のタレがあります。私は大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗の計4つの修行先でそれぞれのタレに触れ、与野本町にお店を構えて11年目になる今も、継ぎ足しながら使い続けています。
このタレが、カシラとよく合う。カシラは旨味がしっかりある部位ですが、脂の甘さはモモや皮ほど主張しない。そこに47年分の深みを持つタレが絡むと、肉の旨味とタレの甘みと醤油のコクが三位一体になります。言葉で説明するのが難しい、「これがやきとりだ」という感覚です。
塩仕立てのカシラも出していますが、塩の場合はヒマラヤ岩塩を使っています。ミネラルを豊富に含む岩塩で、塩味の奥にほのかな甘みと旨みがある。季節によって湿度や温度が変わると塩の出方が変わるので、定期的に試食して塩加減を微調整しています。自分が焼いたものを自分で食べて確認する、これは基本中の基本なんですが、意外とできていないお店もあるんです。
✓ ここまでのポイント
- カシラは「噛めば噛むほど旨味が出る」筋肉質の部位で、タレとの相性が特に高い
- 毎日の手仕込み・鮮度管理・最適サイズのカットが、美味しさの土台をつくっている
- 47年継ぎ足しの秘伝タレとヒマラヤ岩塩が、カシラ本来の旨味をさらに引き出している
大吉のカシラが美味い理由③:専用グリラーが「火入れの精度」を上げる
カシラは脂が少ない分、焼きすぎるとパサつきます。でも、生焼けは論外。この「ちょうど良い火入れ」を毎回安定して出せるかどうかが、焼鳥屋の腕の見せ所です。
当店では大吉専用のグリラーを使っています。炭火に比べると最大火力でやや劣る面はありますが、火力調整の速さと精度は圧倒的に扱いやすい。これが大切で、カシラのような繊細な火入れが必要な部位では、この「素早い火力コントロール」が仕上がりを大きく左右します。
具体的に言うと、カシラは中火でじっくり、表面に焼き色がついたら少し火を落として内部に均一に火を通すイメージです。50万本以上の経験の中で、部位ごとの「火を入れるべき瞬間」の感覚が体に染み込んでいます。目で見て、音を聞いて、香りで判断する。数字では表せない部分ですが、毎日積み上げてきたことが確実に活きています。
カシラを注文されたお客さまが「噛んだ瞬間に旨味が出てくる」とおっしゃることがある。それはタレや仕込みだけでなく、火入れによって肉の組織が適切にほぐれているからです。焼きすぎると繊維がつぶれて旨味が逃げる。その手前でちゃんと止める。言葉にするとシンプルですが、これができるかどうかが全然違う。
カシラの楽しみ方:タレ・塩、何と飲むか
せっかくなので、カシラの食べ方もお伝えしておきます。
迷ったらまずタレで注文してみてください。47年継ぎ足しタレのコクがカシラの旨味をうまく包んでくれます。ビールとの相性が抜群で、一口食べて一口飲むリズムがつくりやすい。当店のサントリー「神泡プレモル」は、樽・洗浄・温度・ガス圧・グラスの保管まで徹底管理しているSuntory神泡達人店認定の一杯です。カシラタレ×神泡プレモルは、余計な説明が要らない組み合わせです。
二本目はぜひ塩で試してみてください。ヒマラヤ岩塩仕立てのカシラは、肉そのものの旨味がよりストレートに感じられます。ハイボールや日本酒と合わせると、シンプルな塩の中にある甘みがよく引き立ちます。お客さまの中には「塩のほうが好きだ」という方も少なくなくて、それも十分わかる話です。
カシラはしっかりした噛み応えがある分、ゆっくり時間をかけて食べるのに向いています。急いで食べるのではなく、一本を丁寧に味わいながら飲む。与野本町の夜に、そういうペースで過ごしてもらいたいというのが、私の正直な気持ちです。
まとめ:カシラは「手間を惜しまない店」で食べるのが正解
カシラが美味いと言われる理由をまとめると、「仕込みの丁寧さ」「タレと塩の深み」「精密な火入れ」という三つの要素が揃って初めて成立する、ということです。どれか一つが欠けても、カシラらしい旨さにはなりません。
地味に聞こえるかもしれませんが、毎日手仕込みして、試食して、火入れを確認して、という積み重ねが「また食べたい」に繋がると思っています。与野本町でお店を構えて10年。これからも変わらず、一本一本に向き合い続けます。
カシラが気になった方は、ぜひ一度食べに来てください。タレと塩の両方、食べ比べてみてくださいね。
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今日も大吉な一日を🏮



