いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
先日、常連のお客さまから「大将、なんでここで店やろうと思ったの?」とふいに聞かれました。カウンター越しに串を焼きながら、「あ、ちゃんと話したことなかったな」と気づきまして。今回はそのご質問への返答を兼ねて、少しだけ自分のことを書いてみようと思います。
大阪に2軒、京都に1軒、東京に1軒。計4店舗で修行をして、最終的に選んだのがさいたま市中央区の下落合、与野本町という町でした。華やかな繁華街でも都心でもない。でも、この場所だったことには、ちゃんとした理由があります。
こんな方におすすめ
- ✅ やきとり大吉与野本町店が気になっている方
- ✅ 浜田大将がどんな人物か知りたい方
- ✅ 与野本町・下落合エリアで長く通える馴染みの店を探している方
- ✅ 修行を重ねた職人の「なぜここで」という物語に興味がある方
- ✅ 地域に根ざした個人店の焼き鳥屋を応援したい方

大阪・京都・東京。4店舗の修行が終わって、残ったもの
修行というのは、技術を盗む場所でもあり、自分の価値観が試される場所でもあります。大阪の繁盛店では、鶏肉の仕込みの手際と、タレの深みを学びました。京都の店では、素材への敬意というか、丁寧さのリズムのようなものを身体で覚えた気がします。東京では、忙しい夜の中でいかに一本一本のクオリティを落とさず焼き続けるか、そのスピードと集中力を鍛えてもらいました。
4店舗それぞれのタレを受け継いで、自分なりに育ててきたものが、今この店で使っている秘伝のタレです。やきとり大吉の創業は1977年(昭和52年)。その年から脈々と継ぎ足されてきた味の歴史を、僕は修行先から持ち帰り、与野本町の土地でもう11年育て続けています。タレは生き物みたいなものなので、まだ成長中です。
修行が終わったとき、手元に残っていたのは「技術」と「タレ」と、それから「どんな町でやりたいか」という漠然としたイメージでした。
なぜ「与野本町の下落合」だったのか
正直に言うと、最初から「ここしかない」と確信していたわけではありません。いくつかの候補地を歩きながら、この下落合の場所に立ったとき、「ここに住んでいる人たちと長く付き合えそうだな」という感覚がありました。
与野本町という町は、派手さがありません。与野本町駅の周辺を歩けばわかるのですが、過度な繁華街がなく、静かな住宅地が広がっています。与野公園があり、子育て世代の家族がいて、長年この地に根を張って生きている人たちがいる。そして、JR埼京線で池袋まで直通約30分というアクセスの良さから、都内に通勤しているビジネスパーソンも多く住んでいます。
僕が焼き鳥屋でやりたかったのは、「旅行先で行く特別な店」ではなく、「地元の人が仕事帰りや週末に、気負わず立ち寄れる店」でした。豪華なコースも飲み放題もない。でも、一本一本は本物の手仕込みで、タレも塩も妥協しない。そういう店が、この落ち着いた町に合うと思ったんです。
繁盛街に出店すれば、もっと回転が早くて数字は上がるかもしれない。でも、顔の見えないお客さまが次々と入れ替わる店にはしたくなかった。この下落合で店を構えて10年、あのときの直感は間違っていなかったと思っています。
✓ ここまでのポイント
- 浜田大将は大阪・京都・東京の計4店舗で修行し、各地のタレと技術を受け継いで与野本町に独立
- 「長く地域の人と付き合える場所」として、繁華街ではなく静かな住宅地・下落合を選んだ
- 47年継ぎ足されてきた秘伝のタレを、この地でさらに11年育て続けている
「君子の交わりは淡きこと水の如し」という店の距離感
開店してしばらくの頃、常連のお客さまから「大将、もっとしゃべってよ」と言われたことがあります。口下手なので笑。でも、僕が大切にしているのは「べたべたしない関係」なんです。
「君子の交わりは淡きこと水の如し」という言葉があります。お互いに自立して、私心なく、さらっとしているからこそ、長く良い関係が続くという意味です。常連のお客さまに毎回深く絡むでもなく、完全に他人行儀でもなく。「あ、浜田さんがいつものように焼いてる。今日もここでゆっくりしよう」そう思ってもらえるような存在でいたい。
店内の余裕があるときは気軽に話しかけてもらって構いません。ただ、焼き台の前に立っているときは、一本一本の焼き加減に集中しています。無愛想に見えるかもしれませんが、それはあなたの串を美味しく焼くためなので、どうかご容赦ください。
そのかわり、料理とお酒はちゃんとした物を出します。毎朝の仕込みも、タレも、塩の加減も、焼きの火力も。見えないところに本気を込めるのが、僕にとっての「おもてなし」の形なんだと思っています。
10年間、50万本以上焼いてきてわかったこと
延べ50万本以上の焼き鳥を焼いてきました。これは自慢ではなく、事実としてそれだけ積み重ねてきたということです。50万本焼いて気づいたのは、「焼き鳥に近道はない」ということ。
仕込みは毎日やる。新鮮な鶏肉だけを使い、冷凍・解凍を繰り返したものは絶対に使わない。試食を重ねて割り出したベストなサイズにカットして、手の温度による劣化を防ぐために手袋と保冷剤を使いながら手早く串打ちをする。どれも地味な作業ですが、これをサボった瞬間に「最初の一口の旨さ」が変わってしまう。
塩加減だって、季節ごとの湿度や温度によって変わるので、目視だけじゃなくて定期的に試食します。「自分の焼き鳥を何年も食べていない店主」が実はいたりするんですが、僕にはそれができません。自分が食べて美味しいと思えるものしか出せないので。
専用グリラーによる火力調整も、50万本の経験があってこそです。皮はパリパリに焼くための弱火、レバーにさっと火を通すための強火、身厚なもも肉を柔らかく仕上げるための中火。部位ごとに最適な火入れポイントが違うので、複数の串を同時進行しながら、それぞれのベストの瞬間を逃さないように焼いています。
この10年、与野本町の下落合でこれを毎日続けてきた。それだけのことですが、それがすべてだとも思っています。
まとめ:これからも、この場所で
なぜここに店を構えたのか、という問いに対する答えは、結局シンプルです。「ここに住んでいる人たちと、長く付き合いたかった」。それに尽きます。
与野本町の下落合は、10年経っても変わらず静かで、子育て世代がいて、仕事帰りのサラリーマンがいて、長年この地に暮らすシニアの方々がいる。円乗院の落ち着いた空気も、与野公園の緑も、この町の底に流れている穏やかさも、僕は好きです。
これからも、ここで焼き続けます。47年の継ぎ足しタレを育てながら、ヒマラヤ岩塩の加減を確かめながら、一本一本を丁寧に。
気が向いたら、ぜひ暖簾をくぐってみてください。カウンターでも、テーブルでも、ゆっくりしていってください。お子様連れでも大丈夫です。完全分煙ですので、食事スペースは煙の心配もありません。提携のタイムズパーキング与野本町第5をご利用いただければ、お車でのご来店も歓迎です。
ご予約・お問い合わせは、お電話または食べログからどうぞ。
📞 048-859-3344(17:00〜23:00/火曜定休)
🌐 ネット予約(食べログより24時間受付)
お気軽にどうぞ。お待ちしております。
今日も大吉な一日を🏮



