いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
「ぼんじり、頼もうか迷ったんですけど…なんか脂っこそうで」
「ぼんじりって、どこの部位かよくわからないんです」
「一回食べたけど、なんか臭みがあって苦手だったんですよね」
こういった声を、カウンター越しにちらほら耳にします。正直に言うと、ぼんじりは誤解されやすい部位です。脂が多いから重たい、独特の風味がある、下処理が雑だと臭う——そういう経験が先にあると、メニューに見つけても素通りしてしまう気持ち、よくわかります。
でも当店のぼんじりは、そのイメージを一度横に置いておいてほしい。脂が「甘い」と感じる瞬間がある焼き鳥です。それがなぜ生まれるのか、今日はすこし丁寧にお話しさせてください。
こんな方におすすめ
- ✅ ぼんじりを食べたことがあるが、あまり印象に残らなかった方
- ✅ 脂っこい食べ物が少し苦手で、頼むのをためらっている方
- ✅ 焼き鳥の部位による焼き方の違いに興味がある方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で本格的な焼き鳥屋を探している方
- ✅ 地元に通い続けられる馴染みの一軒を見つけたい方

ぼんじりとは何か。まず部位の話から
ぼんじりは、鶏の尾椎(びつい)の末端部分、いわゆる「鶏の尻尾」にあたる部位です。一羽から取れる量がごくわずかで、脂肪が集中しているため、焼き鳥のなかでも独特の存在感を持ちます。
よく「脂っこい」と言われる理由はここにあります。この部位には皮下脂肪がたっぷりと含まれていて、火が入ると溶け出す量が他の部位とは段違い。だから焼き方がすべてを左右する、と私は思っています。
あるお客さまが初来店されたとき、「ぼんじり、他の店で食べてギトギトで嫌いになったんですよ」とおっしゃっていました。正直なご感想だと思います。火力が強すぎると脂が急激に溶け出して表面が油でびたびたになる。逆に弱すぎると脂が抜けず、重くもたれる。この「適温のウィンドウ」が非常に狭いのがぼんじりの難しさです。
専用グリラーだから可能な「脂の甘み」を引き出す火入れ
当店は炭火ではなく、やきとり大吉専用のガスグリラーを使用しています。炭火のほうが香ばしさでは一歩上かもしれません。ただ、火力の調整速度という点では専用グリラーに軍配が上がります。
ぼんじりを焼くとき、私がとくに意識しているのは「前半は中〜弱火でじっくり、後半に一瞬強火を当てる」という流れです。
最初から強火を当てると、内部に脂が残ったまま表面だけが焼けてしまう。そうなると口に入れた瞬間、脂が一気に広がって「重い」と感じる。一方で中火をキープしながらゆっくり火を通すと、脂が内側から少しずつ溶け出して、うまみと一緒に串全体に行き渡る。そして最後に短く強火を入れることで、表面にほどよいキャラメライズが生まれる。この瞬間、脂は「甘い」に変わります。
延べ50万本以上焼いてきた経験からの話ですが、この焼き上がりのタイミングは目と耳と鼻で判断しています。じゅわっという音の変化、脂の色の変わり方、鼻をくすぐる香りのトーン。グリラーの火力をリアルタイムで細かく調整できるからこそ、この一連の流れを毎回安定して再現できる。炭火だと、火力のコントロールはやや難しい局面があります。
✓ ここまでのポイント
- ぼんじりは脂が多い部位だからこそ、焼き方のわずかな差が仕上がりを大きく左右する
- 専用グリラーの即応性のある火力調整が、脂の甘みを引き出す中火→強火の流れを可能にしている
- 50万本以上の経験による感覚的な見極めが、毎回の安定した焼き上がりを支えている
仕込みの段階からぼんじりは始まっている
焼きの話をしてきましたが、実はぼんじりの仕上がりは仕込みの時点でほぼ決まると言っても過言ではありません。
ぼんじりには骨(尾骨)が通っています。この骨をきれいに取り除く下処理が非常に重要で、残ったままだと食感がぼそっとして、臭みの原因にもなります。当店では毎日、開店前にこの下処理を丁寧に行っています。冷凍・解凍を繰り返した鶏肉は使わず、新鮮な状態のものだけを仕込むのが当店の基本方針です。
また、仕込み中は手の温度による鶏肉の劣化を最小限に抑えるため、手袋や指サックを着用し、保冷剤で冷やしながら手早く串打ちをしています。特に脂の多いぼんじりは温度管理が甘いと、脂が酸化しやすい。鮮度と温度を守った仕込みが、口に入れたときの「クリーンな甘み」の土台になっています。
ある常連のお客さまが「ぼんじりって最後まで胃にもたれないんですよね、ここのは」とおっしゃっていたのが印象に残っています。それはおそらく、鮮度の良い素材・適切な下処理・最適な火入れが三位一体になって生まれている感覚なのだと、自分では思っています。
タレか塩か。ぼんじりの場合はどちらが正解か
ぼんじりをタレで食べるか、塩で食べるか——これはお客さまによってはっきり好みが分かれます。
タレ派のお客さまが多い印象ですが、当店では塩でのご注文もかなり根強い。私自身は、初めて食べる方にはまず「塩」をお勧めしています。理由は単純で、素材の甘みとミネラル感がよりダイレクトに伝わるからです。
当店の塩はヒマラヤ岩塩を使用しています。塩化ナトリウムの割合が精製塩より低く、各種ミネラルが豊富に含まれているため、塩の角が丸く、素材の旨みを邪魔しない。ぼんじりのような脂の甘みが主役の部位には、引き算の調味ができるこの塩がよく合います。
一方でタレを選ぶ場合は、当店の47年継ぎ足しタレが脂の甘みとしっかり絡み合う、リッチな一本に仕上がります。大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗の計4店舗での修行を経て受け継ぎ、与野本町で10年かけて育ててきたタレです。甘みと醤油感のバランスが、ぼんじりの脂と相性が良い。こちらも捨てがたい。
「塩とタレ、一本ずつ頼んでみた」というお客さまも多くて、それが一番正直な楽しみ方かもしれません。
ぼんじりが「また頼みたくなる」理由を、ある夜のカウンターから
平日の夜、仕事帰りらしいお客さまがカウンターにいらっしゃいました。最初はビールとももだけを注文されていたのですが、隣のお客さまがぼんじりを食べているのを見て「それ、なんですか」と聞いてきた。「ぼんじりです」とお伝えしたら、「一本試してみます」と。
食べた瞬間、少し間があって「あ、甘い」とひとこと。それから追加で2本、お帰りの前にまた2本注文されていきました。
ぼんじりの「脂の甘み」というのは、理屈で説明するより先に、一口食べた瞬間に体が理解する感覚だと思っています。だからこそ、最初の一本の仕上がりが重要で、そのためにグリラーの火入れを毎回丁寧に行っています。
与野本町という街は、落ち着いたライフスタイルを好む方が多い地域です。仕事帰りにふらっと立ち寄って、カウンターでゆっくり一杯やる。そういう時間にぼんじりはよく似合います。神泡プレモルの冷たい泡と、脂の甘みのある一本。その組み合わせを、ぜひ一度体験してみてください。
まとめ:与野本町のぼんじりに足を運んでほしい理由
ぼんじりが当店で人気を集めているのは、偶然でも話題性でもありません。毎日の丁寧な下処理、温度管理を徹底した串打ち、そして専用グリラーによる部位ごとの最適な火入れ——この三つが重なって初めて、「脂が甘い」と感じてもらえる一本になります。
脂っこい部位が苦手だったお客さまが「ここのぼんじりは別物だ」とおっしゃってくださる。それが一番の手応えです。JR埼京線・与野本町駅東口から徒歩4分。ぜひ一度、足を運んでみてください。
ご予約・お問い合わせは、お電話または食べログネット予約よりどうぞ。貸切のご相談も承っております。
営業時間:月・水〜日・祝日 17:00〜23:00(火曜定休)
ラストオーダー:お食事22:00 / お飲み物22:30
今日も大吉な一日を🏮



