いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。
「つくねって、どこで食べても同じじゃないの?」
正直、そう思っている方は少なくないと思います。居酒屋のつくねといえば、なんとなくふんわりしていて、タレがかかっていて、まあ美味しいよね、という印象。チェーン店でも個人店でも、特に違いを感じたことがない、という声もよく耳にします。
あるいは、こんな経験はないでしょうか。「せっかく焼き鳥屋に来たのに、つくねだけなんか物足りなかった」「パサついていて、タレに頼りきりの味だった」「市販の冷凍つくねと、実は変わらない気がした」——。
私がつくねに13種類の材料を使うようになったのは、そういった「惜しい」つくねを自分自身で食べ続けてきたからかもしれません。今日は、あまり表に出してこなかった仕込みの話を、少し踏み込んでお伝えしようと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 焼き鳥屋のつくねに「どこも同じ」と感じたことがある方
- ✅ 手仕込みの焼き鳥にこだわりのあるお店を探している方
- ✅ 与野本町・さいたま市中央区で地元の名物つくねを食べてみたい方
- ✅ 大将のこだわりや人柄を知ってからお店に行きたい方
- ✅ 家族や仲間と、本物の味が楽しめる居酒屋を探している方

つくねを「ただ丸めて焼いたもの」にしたくなかった
私は大阪2店舗、京都1店舗、東京1店舗の計4店舗で修行を経て、10年前に与野本町にお店を構えました。修行時代から今日まで、延べ50万本以上の焼き鳥を焼いてきた中で、ずっと一番悩んできたのが、実はつくねです。
かわや、もも、ねぎまといった串は、素材そのものの声を聞けばある程度答えが見えてきます。でもつくねは、鶏肉をいちど「壊して」再構築する料理。素材の声だけでなく、作り手の意志が色濃く出る。だから、誤魔化しがきかない。
修行先で先輩に言われた言葉があります。「つくねの配合は、その店の性格が出る」。当時は半分しか意味がわかりませんでしたが、自分で店を持ってから、じわじわと腑に落ちてきました。
13種類という数字は、最初から決めていたわけではありません。「もう少しふっくらさせたい」「噛んだときのジューシーさが足りない」「タレをつけたときの絡み方が気になる」——そういった試行錯誤の積み重ねの末に、気づいたら13種類になっていた、というのが正直なところです。
13種類の材料、それぞれに役割がある
材料の中身を全部お話しするつもりはありませんが(それはさすがに企業秘密というか、職人としての矜持として持っておきたいので)、考え方だけお伝えします。
まず、鶏の部位の選び方から始まります。つくねはひき肉をベースにしますが、どの部位を何割使うかで、食感も旨味もまったく変わります。脂のバランス、繊維の細かさ、水分量——それぞれが違う部位を組み合わせることで、「肉々しさ」と「軽さ」を両立させています。
次に、つなぎと香り付けの問題。ここが一番難しい。つなぎが多すぎるとふわっとはするけれど、鶏の旨味が薄まる。少なすぎると、焼いたときに崩れたり、パサついたりする。香り付けも同じで、強すぎると鶏の風味を消してしまいます。何度も配合を変えて試食して、ようやく「このバランスだ」と思えるものにたどり着きました。
そして季節による微調整も欠かせません。夏は素材から水分が出やすいため、配合をわずかに変えます。冬は逆に乾燥しやすくなるので、また別の対応が必要です。同じレシピを一年中そのまま使うと、「なんか今日のつくね、違うな」という日が出てくる。それを防ぐために、毎日自分の手で仕込んで、毎日試食しています。
✓ ここまでのポイント
- つくねの配合は13種類の材料を試行錯誤の末に確立したもので、毎日手仕込みで作っています
- 素材の部位選びから、つなぎ・香り付けの割合まで、すべてに明確な理由があります
- 季節ごとの気候変化に合わせて配合を微調整し、安定した味を保っています
仕込みは「手の温度との戦い」でもある
つくねに限らず、当店の仕込み全般に言えることですが、私は鶏肉を素手で長時間触りません。手袋と指サックを使い、保冷剤で冷やしながら素早く作業を進めます。
なぜかというと、鶏肉は手の温度でみるみる劣化するからです。体温が36〜37度あれば、握っている間中ずっと鮮度が落ちていく。特にひき肉は表面積が大きいぶん、劣化のスピードが速い。「手が温かい人は料理が上手い」なんて言いますが、仕込みに関しては温かい手は天敵です。
こういう話をすると「そこまで神経質にしなくても」と思われるかもしれません。でも、最初の一口で「あ、美味しい」と感じてもらうためには、素材の鮮度を仕込みの最後の瞬間まで守ることが不可欠だと考えています。冷凍・解凍を繰り返した鶏肉は使わず、毎日新鮮な鶏肉だけを仕入れているのも、その考えの延長です。
焼きの段階でも、つくねは特別扱いが必要
仕込みで丁寧に作ったつくねも、焼き方を間違えると台無しになります。
当店では大吉専用グリラーを使っていますが、このグリラーの最大の特徴は火力調整の速さです。炭火と比べると最大火力はやや劣りますが、「弱火にしたい」「強火にしたい」という瞬時の判断に、道具がすぐ応えてくれる。これがつくねには非常に合っています。
つくねは外側を早く固めすぎると、中の旨味が閉じ込められたまま水分が飛んでしまいます。逆に弱火でじっくりすぎると、表面が色づく前に中から水分が出てきてしまう。焦げではなく、きれいな焼き色をつけながら、中をふっくらジューシーに保つ——その「絶妙なポイント」を50万本の経験から体で覚えています。
また、つくねを焼く際は、47年継ぎ足してきた秘伝のタレを2回つけるタイミングにも気を使います。1回目は表面が固まったころ。2回目は仕上げ直前。この2回のタイミングがズレると、タレが生焼けになったり、焦げ付いたりする。地味な話ですが、これが「タレの絡み方が違う」という感想につながります。
「美味しかった」より「また来たい」を目指している
10年間、与野本町の地で焼き鳥を焼き続けてきて、改めて思うことがあります。それは、一回の「美味しかった」よりも、何度も足を運んでもらえる「また来たい」の方が、自分にとってはずっと嬉しいということです。
13種類の材料を使うのも、毎日手仕込みするのも、季節ごとに配合を見直すのも——すべては「次も同じ味が食べたい」と思ってもらうためです。変わらない味というのは、実は毎日少しずつ変えながら守っているもの。その矛盾した努力が、地元の常連さんに「大吉のつくねはここじゃないと食べられない」と言ってもらえる理由だと思っています。
与野本町駅東口から徒歩4分。客単価は3,000〜4,000円程度で、つくねをはじめ焼き鳥は1本140円〜。単品から気軽にご注文いただけます。カウンター席もありますので、一人でふらっと立ち寄っていただいても、ゆっくり過ごせます。
まとめ:一本のつくねに、10年分の本音があります
つくねに13種類の材料が必要な理由——それを一言で言うなら、「そうしないと、自分が納得できないから」です。
理屈より先に、食べた瞬間の「これだ」という感覚を大切にしてきました。毎日仕込んで、毎日焼いて、毎日食べて確認する。地味で当たり前のことを、10年続けてきました。
ぜひ一度、与野本町まで足を運んでみてください。つくねはもちろん、かわ、きも(レバー)、ねぎまといった定番のやきとりも、神泡プレモルの生ビールと合わせてお楽しみいただけます。
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今日も大吉な一日を🏮



