与野本町「大吉」の仕込みはいつ始まるのか。毎日の丁寧な作業に密着してみた

あれこれ

いつもありがとうございます。
やきとり大吉与野本町店の浜田です。

「一人で居酒屋に入るのって、なんとなく気が引ける」
「カウンターに座ったら、話しかけられ続けて疲れないか心配」
「仕事帰りにちょっと寄りたいけど、一人客が浮いてしまう雰囲気じゃないか不安」

こういう気持ち、わかります。特に焼き鳥屋というと、常連さんでにぎわう「内輪感」が強そうで、一見さんが一人で入るにはハードルが高く感じるかもしれません。

今回は、そういった一人客の不安を解消するために、当店の「一日」をそのままお見せしようと思いました。仕込みが始まる時間から開店まで、何をどんな気持ちでやっているのか。作業の流れを通じて、この店の空気感が伝われば、はじめて来られる方も少し気が楽になるんじゃないかと思っています。

こんな方におすすめ

  • ✅ 仕事帰りに一人で立ち寄れる焼き鳥屋を探している方
  • ✅ 居酒屋のカウンター席に一人で座るのが少し不安な方
  • ✅ 「手仕込み」というこだわりが、実際にどういう作業なのか気になる方
  • ✅ 与野本町・さいたま市中央区周辺で馴染める地元の店を探している方
  • ✅ 毎日通えるコスパの良い焼き鳥屋を見つけたい方
与野本町「大吉」の仕込みはいつ始まるのか。毎日の丁寧な作業に密着してみた | やきとり大吉与野本町店

午後2時。静かな店内でひとり、包丁を握る

お客さまが来られる17時のおよそ3時間前。店内の電気をつけ、まず最初にやることは鶏肉の状態確認です。

当店では、冷凍・解凍を繰り返した鶏肉は一切使いません。その日に仕込む分だけ、新鮮な状態のものを使います。だから毎日、同じ量・同じ品質というわけにはいかない。肉の色、弾力、においを確かめることが、仕込みの第一歩です。

部位ごとに包丁の入れ方が違います。モモ肉はひと口で食べたときに「柔らかい」と感じるサイズに。かわは脂の乗り方を見ながら均等な長さに。レバーは火の通りが変わりますから、余分な血管と脂を丁寧に取り除きます。

「最初の一口からおいしく感じる」というのを目安にカットのサイズを決めています。小さすぎると食べた気がしない。大きすぎると中まで火が入りにくい。このバランスを、試食を重ねながら自分なりに割り出してきたサイズがあります。レシピというより、手と目で覚えた感覚です。

仕込み中、店内は静かです。BGMも特にかけません。包丁の音と、時折冷蔵庫のコンプレッサーが回る音。この時間が、一日の中でいちばん集中している時間かもしれません。

午後3時。串打ちは「手の温度」との戦い

カットが終わったら、串打ちに入ります。

ここで意識しているのは、鶏肉をできるだけ温めないこと。人間の手の体温は36度前後あります。鶏肉にとってはその温度差が、鮮度を落とす原因になります。

だから当店では、手袋や指サックを使います。さらに少量ずつ保冷剤の上に肉を置きながら、手早く串に刺していく。「丁寧に」と「素早く」を同時にやらないといけない作業で、慣れるまでにそれなりの時間がかかりました。

修行時代、大阪で最初に学んだのがこの串打ちでした。「串の角度がずれると、焼いたときに肉が回る」と師匠に言われて、最初の数週間は串打ちだけをひたすら練習した記憶があります。いまでも、串を刺す角度と力加減は毎回意識しています。

打ち終えた串は、種類ごとに並べて冷蔵保管。この段階で、今日の仕込み量のだいたいの見通しが立ちます。

✓ ここまでのポイント

  • 仕込みは開店3時間前、午後2時ごろにスタート。鮮度確認から始まる毎日の作業です
  • カットサイズは「最初の一口からおいしい」を基準に、試食で割り出した独自のサイズを守っています
  • 串打ちは手の体温による鮮度劣化を防ぐため、手袋・保冷剤を使い手早く行います

午後4時。タレの確認と塩の調整。見えない作業こそ、味の核心

串打ちが終わると、タレと塩の確認をします。

やきとり大吉の創業は1977年(昭和52年)。それから脈々と継ぎ足されてきた秘伝のタレを、各店舗が受け継いでいます。私が与野本町で使っているタレは、大阪2店舗・京都1店舗・東京1店舗、計4店舗の修行先で受け継いだものをベースに、この店でさらに継ぎ足しを続けて今年で11年目になります。

毎日少量を試食して、濃度・甘み・塩分のバランスを確かめます。夏場は汗をかくのでタレの感じ方が変わる。冬場は舌が少し鈍くなる。気温と湿度によって、タレの「出方」が変わるので、数値だけで管理するのには限界があります。だから毎日、自分の舌で確かめます。

塩仕立ての串に使うのはヒマラヤ岩塩です。一般的な精製塩と比べてミネラルが豊富で、塩辛さの後ろにほんのりと甘みと旨味が残ります。この微妙な後味が、焼き鳥のタンパク質と合わさったときに「なんか違う」という印象につながる。毎日、塩の量も指先の感覚と試食で調整しています。

自分の焼き鳥を食べていない店主が意外といる、という話を耳にすることがあります。正直、信じられない。毎日食べないと、ズレに気づけません。

午後5時。カウンターが待つ開店。一人でも「ちょうどいい」場所を作りたかった

暖簾を出して、カウンターの明かりをつけます。

当店のカウンター席は6席です。グリラーに向かって立つ私の目の前に、横並びで6人分のスペースがあります。テーブル席(12席)とは少し違う、この距離感が好きで来てくれるお客さまがいます。

一人で来られる方には、カウンターがいちばん居心地いいと思っています。隣に知らない人が来ても、お互いが串と杯に向かっているから、話しかけなくてもぎこちなくない。焼き台が目の前にあるので、「次に焼けるのはどれかな」と眺めているだけでも時間が過ぎる。

私はもともとそんなに話しかけるタイプではありません。焼きに集中しているのもありますが、「来たら話さないといけない」というプレッシャーを感じてほしくないという気持ちもあります。店内に余裕がある時は、気軽に声をかけてもらえれば嬉しいですが、黙って飲んでいたい夜もあるはずです。それで全然構いません。

「君子の交わりは淡きこと水の如し」という言葉が好きです。べたべたしない。依存しない。さらっとしているからこそ、長く続く関係がある。お客さまとの距離感も、それくらいがちょうどいいと思っています。

仕事帰りに、ふらっと寄る。神泡のプレモルを一杯飲んで、かわとつくねを食べて帰る。そういう「プチご褒美」の使い方を、常連さんの何人かがしてくれています。毎週来る方もいれば、月に数回という方も。頻度は関係なく、「また来た」と思って暖簾をくぐってくれれば、それで十分です。

一人で来ることへの「ためらい」を、仕込みが解消する

「一人で居酒屋に入るのは気まずい」という感覚の根っこには、「粗末な扱いを受けるんじゃないか」「一人では頼める量が少なくて気を使う」といった不安があると思います。

当店の焼き鳥は1本140円〜。単品で好きな本数を注文できます。2本だけ頼んで帰ってもいい。気分が乗れば追加する。そういうスタイルです。お客さまひとりあたりの客単価は3,000〜4,000円程度ですが、それはあくまでも目安で、縛りはありません。

それから、当店は全席禁煙です。食事エリアでタバコの煙を気にせずに過ごせます(喫煙される方のために独立した喫煙ブースを設けています)。服や髪に煙の臭いがつく心配がない。これは、一人でちょっと立ち寄りたいという方にとって、意外と大きな安心感につながるようです。

支払いはクレジットカードや電子マネーにも対応しています。現金を崩す必要もなく、さっと来てさっと払って帰れる。近隣のタイムズパーキング与野本町第5とも提携していますので、車での来店もスムーズです(税込5,000円以上で200円分、税込7,000円以上で400円分の駐車チケットをお渡ししています)。

こういった「一人でも入りやすい」条件が揃っているのは、意図して作ったというより、毎日の仕込みと同じで「当たり前のことを丁寧にやる」という積み重ねの結果だと思っています。

まとめ:仕込みの丁寧さが、「また来たい」を作る

午後2時の静かな店内から始まる仕込みの時間。鶏肉の確認、カット、串打ち、タレと塩の調整。どれも地味な作業ですが、この積み重ねが、17時の開店時にカウンターに並ぶ串の味になります。

一人でふらっと来て、カウンターに座って、神泡のプレモルと焼き立ての串を楽しんで帰る。そういう使い方をしてくれるお客さまが、与野本町に一人でも増えたらうれしいです。話したければ話しましょう。黙って飲みたければ、それでも歓迎します。

与野本町駅東口から徒歩4分。火曜定休、営業は17時から23時(ラストオーダー:食べ物22時、飲み物22時30分)です。

ご予約・お問い合わせは、お電話または食べログのネット予約からどうぞ。
📞 048-859-3344
🗓 ネット予約(食べログ)

一人でも、気軽にどうぞ。お待ちしております。

今日も大吉な一日を🏮